○大田市男女共同参画推進条例

平成17年10月1日

条例第13号

すべての男女が性別にかかわりなく、個人として尊重され、法の下に平等であることは日本国憲法に謳われており、男女平等に向けた様々な取り組みが、国内外において進められてきた。

大田市においても男女共同参画計画を策定するなど、様々な施策を推進してきた。

しかしながら、大田市において性別による固定的な役割分担意識と、またそれらに基づく社会通念、慣習、制度は依然として残っている。こうした状況を踏まえ、すべての男女が互いに尊重し、パートナーと認め合い、その個性と能力を十分に発揮し、あらゆる分野に対等に参画できる男女共同参画社会の実現が私たちの願いである。

ここに私たちは、男女共同参画を推進し、男女の対等なパートナーシップのもと、すべての男女が自らの存在に誇りが持て、喜びも責任も分かち合える活力ある大田市を築くために、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進について、基本理念を定め、大田市(以下「市」という。)、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、すべての男女が心豊かに、安心して、生き生きと暮らせる社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ共に責任を担うことをいう。

(2) 事業者 市内において営利・非営利、個人・法人を問わず事業を営んでいるものをいう。

(3) 積極的改善措置 第1号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、その機会を積極的に提供することをいう。

(4) セクシュアル・ハラスメント 相手の意に反した性的な発言や行動のことをいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、男女の個人としての尊厳が重んぜられ、性別によって差別的扱いを受けることなく、個人として能力を発揮する機会が確保され、男女の人権が尊重されるよう行われなければならない。

2 男女共同参画の推進においては、性別による固定的な役割分担意識による社会制度又は慣行が、男女の社会における活動の自由な選択を妨げることがないように配慮されなければならない。

3 男女共同参画の推進においては、男女が対等な社会の構成員としてあらゆる分野の方針の立案及び決定の場へ共に参画する機会が確保されなければならない。

4 男女共同参画の推進においては、男女が相互の協力と社会の支援の下に、仕事と家事、育児及び家族の介護又は地域における活動とを両立して行うことができなければならない。

5 男女共同参画の推進においては、国際社会における取組と密接に関連していることを考慮して行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、男女共同参画の推進を重要課題と位置付け、前条に掲げる基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、施策を総合的かつ計画的に推進する責務を有する。

2 市は、男女共同参画の推進のため、政策決定の機会やその他必要な場面において積極的改善措置を講ずるよう努めなければならない。

3 市は、男女共同参画の推進に関する施策の実施に当たっては、市民、事業者、国、県及び他の地方公共団体と連携し、協力するものとする。

(市民の責務)

第5条 市民は、家庭、職場、学校、地域その他のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成に寄与するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、その事業活動に関し、基本理念に対する理解を深め、男女共同参画の推進に自ら努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するように努めなければならない。

2 事業者は、労働及び雇用に関連する法律を遵守するとともに、その事業活動において積極的改善措置などを講ずるよう努めなければならない。

(性別による権利侵害の禁止)

第7条 何人も、家庭、職場、学校、地域その他のあらゆる分野において、性による差別的扱いをしてはならない。

2 何人も、家庭、職場、学校、地域その他のあらゆる分野においてセクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。

3 何人も、夫婦間を含むすべての男女間において、個人の尊厳を踏みにじる暴力や虐待を行ってはならない。

(男女共同参画の推進に関する情報提供)

第8条 市は、家庭、職場、学校、地域その他のあらゆる分野において、すべての男女の尊厳が平等に守られるような意識を育む学習の機会の提供に努めるとともに、男女共同参画に対する理解を深めるための情報を収集し、提供するものとする。

(情報の表示に関する留意)

第9条 何人も、情報等の表示において、性別による役割分担又はセクシュアル・ハラスメント等を助長し、連想させる表現を行わないように努めなければならない。

(基本計画)

第10条 市は、男女共同参画に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために基本となる計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 市長は、基本計画を策定しようとするときは、第15条第1項に規定する大田市男女共同参画推進委員会に諮問しなければならない。

3 市長は、基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。

(市民及び事業者の理解を深めるための措置)

第11条 市は、男女共同参画の推進に対する市民及び事業者の理解が深まるよう広報活動等適切な措置を講ずるものとする。

(男女共同参画推進週間)

第12条 市は、市民及び事業者に広く男女共同参画に対する関心と理解を深める施策を行うとともに、男女共同参画を推進するために男女共同参画推進週間を設ける。

2 男女共同参画推進週間は、毎年6月23日から6月29日までの1週間とする。

3 市は、男女共同参画推進週間の趣旨にふさわしい事業を実施するものとする。

(市民相談等)

第13条 市は、性別に基づく差別、人権の侵害等に関する市民の相談に対する助言指導を行うとともに、関係機関等と連携を図り、解決に努めるものとする。

(年次報告)

第14条 市長は、毎年、基本計画に基づく施策の推進及び実施状況を公表しなければならない。

(男女共同参画推進委員会の設置)

第15条 市は、男女共同参画の推進に関する基本的かつ総合的な施策及び重要事項を調査審議するため、大田市男女共同参画推進委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、次に掲げる事項を所掌する。

(1) 市長の諮問に応じ、基本計画の策定及び変更に関して、調査審議し、答申すること。

(2) 市が実施する男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について評価を行うこと。

(3) その他男女共同参画の推進に関する重要な事項について、市長に意見を述べること。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成17年10月1日から施行する。

大田市男女共同参画推進条例

平成17年10月1日 条例第13号

(平成17年10月1日施行)