○大田市における公益通報の取扱に関する規程
平成20年3月26日
訓令第3号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 外部公益通報の取扱い(第3条―第9条)
第3章 内部公益通報の取扱い(第10条―第20条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)の規定に基づき、大田市における公益通報の取扱いに関する基本事項を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、事業者(大田市を含む。以下同じ。)の法令遵守を推進することを目的とする。
(1) 外部公益通報 次のことをいう。
ア 通報対象事実(大田市が処分又は勧告等の権限を有するものに限る。)に関係する事業者に雇用されている労働者(大田市の職員(以下「職員」という。)を含む。)、当該事業者を派遣先とする派遣労働者又は当該事業者の取引先の労働者が、当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を大田市に対し通報すること。
(2) 内部公益通報 次のことをいう。
ア 職員又は大田市の契約先の労働者(以下「職員等」という。)が大田市(大田市の事業に従事する場合における職員その他の者を含む。)について通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を大田市に対し通報すること。
イ 職員等が、職員について通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を大田市に対し通報すること。
(3) 相談窓口 公益通報を受理し、及び公益通報に関する相談に応じるための窓口をいう。
第2章 外部公益通報の取扱い
(外部公益通報の相談窓口)
第3条 総務部総務課に、外部公益通報の相談窓口を置く。
3 外部公益通報の相談窓口の事務に従事する職員以外の職員は、外部公益通報に当たると認められる通報を受けたときは、外部通報記録書(様式第1号)にその内容を記載し、遅滞なく、相談窓口への通知その他の適切な措置をとるものとする。
4 外部公益通報の処理に従事する職員は、外部公益通報に関する秘密を漏らしてはならない。
5 職員は、自らが関係する外部公益通報の処理に関与してはならない。
(調査の実施)
第5条 主管所属の長は、相談窓口が受理し、前条第1項の規定により通知を受けた外部公益通報について、必要な調査を行うものとする。この場合、通報者が特定されないよう十分に配慮しつつ、遅滞なく、必要かつ相当と認められる方法で行うものとする。
2 主管所属の長は、通報者に対し、相談窓口が当該外部公益通報を受理してから主管所属がその処理を終了するまでに必要と見込まれる期間を遅滞なく通知するよう努めるものとする。
3 主管所属の長は、利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等に配慮しつつ、通報者に対し、調査の進捗状況にあっては適宜、調査結果にあっては遅滞なく通知するよう努めるものとする。
4 主管所属の長は、前項に規定する通知をしたときは、その内容を総務課長に通知するものとする。
(受理後の教示)
第6条 労働者からの通報を受理した後において、大田市ではなく他の行政機関が当該通報に係る通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有することが明らかになったときは、主管所属の長は、当該通報をした者に対し、公益通報先機関教示書により、当該権限を有する行政機関を遅滞なく教示するとともに、法執行上の問題がない範囲において、当該通報をした者に対し、自ら作成した当該通報事案にかかる資料を提供するものとする。この場合において、主管所属の長は、当該権限を有する行政機関を教示したこと及び当該通報事案に係る資料を提供したことを総務課長に通知するものとする。
(調査結果に基づく措置の実施等)
第7条 主管所属の長は、調査の結果、通報対象事実があると認めたときは、速やかに法令に基づく措置その他適切な措置(以下この章において「措置」という。)をとるものとする。この場合において、主管所属の長は、あらかじめ(やむを得ない場合にあっては事後に)、当該措置の内容を総務課長に通知するものとする。
2 主管所属の長は、措置をとったときは、適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等に配慮しつつ、通報者に対し、その内容を遅滞なく通知するよう努めるものとする。
(市長への報告)
第8条 総務課長は、相談窓口で受理した外部公益通報の内容及び主管所属の長がとった措置の内容を取りまとめ、市長に遅滞なく報告するものとする。
(他の行政機関との協力等)
第9条 職員は、外部公益通報に関して、他の行政機関その他公の機関から調査等の協力を求められたときは、正当な理由がある場合を除き、必要な協力をするものとする。
2 主管所属の長は、通報対象事実に関し、大田市のほかに処分又は勧告等をする権限を有する行政機関がある場合においては、当該行政機関と連携して調査を行い、又は措置をとるなどするものとする。
第3章 内部公益通報の取扱い
(内部公益通報の相談窓口)
第10条 総務部人事課に、内部公益通報の相談窓口を置く。
2 通報は、前項に掲げる窓口のほか、通報に係る職務を公平で中立的な立場で適切に遂行することができる者のうちから、あらかじめ市長が選任した者(以下「外部窓口通報処理者」という。)を窓口として行うことができる。
3 内部公益通報の相談窓口においては、電話、口頭又は書面による内部公益通報を受け付けるものとする。
4 内部公益通報の相談窓口の事務に従事する職員以外の職員は、内部公益通報に当たると認められる通報を受けたときは、内部通報記録書(様式第5号)にその内容を記載し、遅滞なく、内部公益通報の相談窓口への通知その他の適切な措置をとるものとする。
5 内部公益通報の処理に従事する職員は、内部公益通報に関する秘密を漏らしてはならない。
6 職員は、自らが関係する内部公益通報の処理に関与してはならない。
(内部公益通報の受理等)
第11条 人事課長及び外部窓口通報処理者は、職員等から受けた通報が内部公益通報に該当するときは、当該内部公益通報をした者(以下「通報者」という。)に対し、内部公益通報受理通知書(様式第6号)により、当該内部公益通報を受理したことを遅滞なく通知しなければならない。この場合において、人事課長及び外部窓口通報処理者は、通報者の秘密保持に配慮しつつ、通報者の氏名及び連絡先並びに当該内部公益通報の内容となる事実を配慮するとともに、通報者に対する不利益取扱いのないこと及び通報者の秘密は保持されることを説明するものとする。
2 外部窓口通報処理者は、受け付けた通報を、通報者の氏名、所属、連絡先等通報者が特定され、又は類推される情報を秘匿した上で、内部公益通報受理通知書(様式第7号)により、人事課長へ通知するものとする。ただし、通報者が氏名、所属、連絡先等を秘匿することを要しない旨を申し出たときは、この限りでない。
3 人事課長及び外部窓口通報処理者は、職員等から受けた通報が内部公益通報に該当しないときは、当該通報をした者に対し、非受理通知書(様式第8号)により、当該通報を内部公益通報として受理しないこと及びその理由を遅滞なく通知しなければならない。
(調査の実施等)
第12条 人事課長は、適正な業務の遂行に支障がある場合を除き、内部公益通報に関する調査(以下「調査」という。)を行う場合はそのこと及び着手の時期を、調査を行わない場合はそのこと及び理由を、通報者に対し、遅滞なく通知しなければならない。ただし、当該通報が、外部窓口通報処理者が受けたものであるときは、当該外部窓口通報処理者を経由して通知するものとする。
2 人事課長は、通報者に対し、当該内部公益通報を受理してからその処理を終了するまでに必要と見込まれる期間を遅滞なく通知するよう努めるものとする。
3 調査を実施するに当たっては、人事課長の指揮又は調整の下、通報者の秘密を守るため、通報者が特定されないよう十分に配慮しつつ、遅滞なく、必要かつ相当と認められる方法で行うものとする。
4 市長は、特別の事情があるときは、弁護士等の第三者に調査を依頼することができる。
5 人事課長は、利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等に配慮しつつ通報者に対し、調査の進捗状況にあっては適宜、調査結果にあっては遅滞なく通知するよう努めるものとする。
(調査結果に基づく是正措置等の実施等)
第13条 人事課長又は通報対象事実の当事者である職員が勤務する所属その他の内部公益通報の処理に関係する所属(以下「関係所属」という。)の長は、調査の結果、当該通報対象事実があることが明らかになったときは、速やかに是正措置及び再発防止策等(以下「是正措置等」という。)をとるとともに、関係所属の長はその内容を遅滞なく人事課長に通知するものとする。この場合、必要に応じ、関係者の処分を行うものとする。
2 人事課長は、是正措置等をとったときは、利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等に配慮しつつ、通報者に対し、その内容を遅滞なく通知するよう努めるものとする。
(市長への報告)
第14条 人事課長は、相談窓口で受理した内部公益通報の内容、調査結果及び是正措置等の内容を取りまとめ、市長に遅滞なく報告するものとする。
(関係事項の公表)
第15条 人事課長は、調査結果及び是正措置等のうち大田市の法令遵守が推進されると認められる事項を適宜公表するものとする。
(是正措置等の実効性評価)
第16条 人事課長及び関係所属の長は、是正措置等が十分機能していることを適切な時期に確認し、必要があると認めるときは、新たな是正措置その他の改善を行うよう努めるものとする。
(通報者等の保護)
第17条 職員は、通報者又は内部公益通報に関連する相談をした者に対し、当該内部公益通報又は当該内部公益通報に関連する相談をしたことを理由として不利益な取扱いをしてはならない。
2 市長は、通報者又は内部公益通報に関連する相談をした者に対し、当該内部公益通報又は当該内部公益通報に関連する相談をしたことを理由として不利益な取扱い等をした者に対し、懲戒処分その他適切な措置をとるものとする。正当な理由なく、当該内部公益通報又は内部公益通報に関連する相談に関する秘密を漏らした職員についても同様とする。
3 通報者及び内部公益通報に関連する相談をした者は、当該内部公益通報等をしたことを理由とした不利益な取扱いを受けたと認めるときは、その内容に応じ、大田市公平委員会に対する不利益処分についての不服申立て(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第49条の2第1項)若しくは勤務条件に関する措置の要求(同法第46条)を行うことができる。
(通報者の継続保護)
第18条 人事課長は、関係所属の長と協力し、内部公益通報の処理終了後、内部公益通報をしたことを理由として通報者に対する不利益な取扱いや職場内での嫌がらせ等が行われていないかを適宜確認するなど、通報者の事後の十分な保護に配慮するものとする。
(上司への内部公益通報)
第19条 内部公益通報に当たると認められる通報を受けた職員が当該通報をした職員の上司である場合において、当該通報を受けた職員は、自ら行える範囲で必要に応じ調査を行うとともに、遅滞なく、上司への報告、内部公益通報の相談窓口への通報その他適切な措置をとるものとする。
(職員の協力義務等)
第20条 職員は、正当な理由がある場合を除き、調査に誠実に協力しなければならない。
2 職員は、内部公益通報に関し、他の行政機関その他公の機関から調査等の協力を求められたときは、正当な理由がある場合を除き、必要な協力をするものとする。
3 職員は、市民等職員以外の者から内部公益通報に関連する情報提供を受けたときは、これを誠実に処理するものとする。
附則
この訓令は、平成20年4月1日から施行する。
附則(平成22年訓令第4号)
この訓令は、平成22年4月1日から施行する。
附則(平成24年訓令第14号)
この訓令は、平成24年4月1日から施行する。