○大田市個人情報保護管理規程

令和5年11月24日

訓令第17号

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)第66条第1項の規定に基づき、本市の保有する個人情報(以下「保有個人情報」という。)の適切な管理に関して必要な事項を定めることを目的とする。

第2章 管理体制

(総括保護管理者)

第2条 総括保護管理者を一人置くこととし、総務部長をもって充てる。

2 総括保護管理者は、大田市における保有個人情報の管理に関する事務を総括する任に当たる。

(保護管理者)

第3条 保有個人情報を取り扱う各課、室、場、センター及び署(以下「課等」という。)に、保護管理者を一人置くこととし、当該課等の長又はこれに代わる者をもって充てる。

2 保護管理者は、各課等における保有個人情報の適切な管理を確保する任に当たる。

3 保護管理者は、保有個人情報を情報システムで取り扱う場合、当該情報システムの管理者と連携して、その任に当たる。

(保護担当者)

第4条 保有個人情報を取り扱う各課等に、当該課等の保護管理者が指定する保護担当者を一人又は複数人置く。

2 保護担当者は、保護管理者を補佐し、各課等における保有個人情報の管理に関する事務を担当する。

(監査責任者)

第5条 監査責任者を一人置くこととし、総務部総務課長をもって充てる。

2 監査責任者は、保有個人情報の管理の状況について監査する任に当たる。

第3章 教育研修

(教育研修)

第6条 総括保護管理者は、保有個人情報の取扱いに従事する職員(会計年度任用職員及び派遣労働者を含む。以下同じ。)に対し、保有個人情報の取扱いについて理解を深め、個人情報の保護に関する意識の高揚を図るための啓発その他必要な教育研修を行う。

2 総括保護管理者は、保有個人情報を取り扱う情報システムの管理に関する事務に従事する職員に対し、保有個人情報の適切な管理のために、情報システムの管理、運用及びセキュリティ対策に関して必要な教育研修を行う。

3 保護管理者は、当該課等の職員に対し、保有個人情報の適切な管理のために、総括保護管理者の実施する教育研修への参加の機会を付与する等の必要な措置を講ずる。

第4章 職員の責務

(職員の責務)

第7条 職員は、法の趣旨にのっとり、関連する法令及び規程等の定め並びに総括保護管理者、保護管理者及び保護担当者の指示に従い、保有個人情報を取り扱わなければならない。

第5章 保有個人情報の取扱い

(アクセス制限)

第8条 保護管理者は、保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、当該保有個人情報にアクセスする権限(以下「アクセス権限」という。)を有する職員の範囲と権限の内容を、当該職員が業務を行う上で必要最小限の範囲に限定しなければならない。

2 アクセス権限を有しない職員は、保有個人情報にアクセスしてはならない。

3 職員は、アクセス権限を有する場合であっても、業務上の目的以外の目的で保有個人情報にアクセスしてはならず、アクセスは必要最小限としなければならない。

(複製等の制限)

第9条 保護管理者は、職員が業務上の目的で保有個人情報を取り扱う場合であっても、次の行為については、当該保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、当該行為を行うことができる場合を必要最小限に限定しなければならない。

(1) 保有個人情報の複製

(2) 保有個人情報の送信

(3) 保有個人情報が記録されている媒体の外部への送付又は持ち出し

(4) 前3号に定めるもののほか保有個人情報の適切な管理に支障を及ぼすおそれのある行為

(誤りの訂正等)

第10条 職員は、保有個人情報の内容に誤り等を発見した場合には、保護管理者の指示に従い、訂正等を行う。

(媒体の管理等)

第11条 職員は、保護管理者の指示に従い、保有個人情報が記録されている媒体を定められた場所に保管するとともに、必要があると認めるときは、耐火金庫への保管、施錠等を行う。

2 職員は、保有個人情報が記録されている媒体を外部へ送付し又は持ち出す場合には、原則として、パスワード等(パスワード、ICカード、生体情報等をいう。以下同じ。)を使用して権限を識別する機能(以下「認証機能」という。)を設定する等のアクセス制御のために必要な措置を講ずる。

(誤送付等の防止)

第12条 職員は、保有個人情報を含む電磁的記録又は媒体の誤送信、誤送付、誤交付又はウェブサイト等への誤掲載を防止するため、個別の事務・事業において取り扱う個人情報の秘匿性等その内容に応じ、複数の職員による確認やチェックリストの活用等の必要な措置を講ずる。

(廃棄等)

第13条 職員は、保有個人情報又は保有個人情報が記録されている媒体(端末及びサーバに内蔵されているものを含む。)が不要となった場合には、保護管理者の指示に従い、当該保有個人情報の復元又は判読が不可能な方法により当該情報の消去又は当該媒体の廃棄を行わなければならない。

2 職員は、保有個人情報の消去や保有個人情報が記録されている媒体の廃棄を委託する場合(2以上の段階にわたる委託を含む。)には、必要に応じて職員が消去及び廃棄に立ち会い、又は写真等を付した消去及び廃棄を証明する書類を受け取るなど、委託先において消去及び廃棄が確実に行われていることを確認しなければならない。

(保有個人情報の取扱状況の記録)

第14条 保護管理者は、保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、台帳等を整備して、当該保有個人情報の利用及び保管等の取扱いの状況について記録する。

(外的環境の把握)

第15条 保有個人情報が、外国において取り扱われる場合、当該外国の個人情報の保護に関する制度等を把握した上で、保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。

第6章 情報システムにおける安全の確保等

(アクセス制御)

第16条 保護管理者は、保有個人情報(情報システムで取り扱うものに限る。以下第27条を除き、この章において同じ。)の秘匿性等その内容に応じて、認証機能を設定する等のアクセス制御のために必要な措置を講ずる。

(アクセス記録)

第17条 保護管理者は、保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、当該保有個人情報へのアクセス状況を記録し、その記録(以下「アクセス記録」という。)を一定の期間保存し、及びアクセス記録を定期的に分析するために必要な措置を講ずる。

2 保護管理者は、アクセス記録の改ざん、窃取又は不正な消去の防止のために必要な措置を講ずる。

(アクセス状況の監視)

第18条 保護管理者は、保有個人情報の秘匿性等その内容及びその量に応じて、当該保有個人情報への不適切なアクセスの監視のため、定期的確認等の必要な措置を講ずる。

(管理者権限の設定)

第19条 保護管理者は、保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、情報システムの管理者権限の特権を不正に窃取された際の被害の最小化及び内部からの不正操作等の防止のため、当該権限を必要最小限とする等の必要な措置を講ずる。

(不正プログラムによる漏えい等の防止)

第20条 保護管理者は、不正プログラムによる保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損(以下「漏えい等」という。)の防止のため、ソフトウェアに関する公開された脆弱性の解消、把握された不正プログラムの感染防止等に必要な措置を講ずる。

(情報システムにおける保有個人情報の処理)

第21条 職員は、保有個人情報について、一時的に加工等の処理を行うため複製等を行う場合には、その対象を必要最小限に限り、処理終了後は不要となった情報を速やかに消去する。

2 保護管理者は、前項に規定する場合には、当該保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、随時、消去等の実施状況を確認する。

(暗号化)

第22条 保護管理者は、保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、暗号化のために必要な措置を講ずる。

2 職員は、前項の措置を踏まえ、その処理する保有個人情報について、当該保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、適切に暗号化又はパスワードの設定等を行う。

(記録機能を有する機器・媒体の接続制限)

第23条 保護管理者は、保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、当該保有個人情報の漏えい等の防止のため、スマートフォン、USBメモリ等の記録機能を有する機器・媒体の情報システム端末等(以下「外部電磁的記録媒体等」という。)への接続の制限(当該機器の更新への対応を含む。)等の必要な措置を講ずる。

(端末の限定)

第24条 保護管理者は、保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、その処理を行う端末を限定するために必要な措置を講ずる。

(端末の盗難防止等)

第25条 保護管理者は、端末の盗難又は紛失の防止のため、端末の固定、執務室の施錠等の必要な措置を講ずる。

2 職員は、保護管理者が必要であると認めるときを除き、端末を外部へ持ち出し、又は外部から持ち込んではならない。

(第三者の閲覧防止)

第26条 職員は、端末の使用に当たっては、保有個人情報が第三者に閲覧されることがないよう、使用状況に応じて情報システムからログオフを行うことを徹底する等の必要な措置を講ずる。

(入力情報の照合等)

第27条 職員は、情報システムで取り扱う保有個人情報の重要度に応じて、入力原票と入力内容との照合、処理前後の当該保有個人情報の内容の確認、既存の保有個人情報との照合等を行う。

(バックアップ)

第28条 保護管理者は、保有個人情報の重要度に応じて、バックアップを作成するなど必要な措置を講ずる。

(情報システム設計書等の管理)

第29条 保護管理者は、保有個人情報に係る情報システムの設計書、構成図等の文書について外部に知られることがないよう、その保管、複製、廃棄等について必要な措置を講ずる。

第7章 情報システム室等の安全管理

(入退管理)

第30条 保護管理者は、保有個人情報を取り扱う基幹的なサーバ等の機器を設置する室その他の区域(以下「情報システム室等」という。)に立ち入る権限を有する者を定めるとともに、用件の確認、入退の記録、部外者についての識別化、部外者が立ち入る場合の職員の立会い又は監視設備による監視、外部電磁的記録媒体等の持込み、利用及び持ち出しの制限又は検査等の措置を講ずる。また、保有個人情報を記録する媒体を保管するための施設を設けている場合においても、必要があると認めるときは、同様の措置を講ずる。

2 保護管理者は、必要があると認めるときは、情報システム室等の出入口の特定化による入退の管理の容易化、所在表示の制限等の措置を講ずる。

3 保護管理者は、情報システム室等及び保管施設の入退の管理について、必要があると認めるときは、立入りに係る認証機能を設定し、及びパスワード等の管理に関する定めの整備(その定期又は随時の見直しを含む。)、パスワード等の読取防止等を行うために必要な措置を講ずる。

(情報システム室等の管理)

第31条 保護管理者は、外部からの不正な侵入に備え、情報システム室等に施錠装置、警報装置及び監視設備の設置等の措置を講ずる。

2 保護管理者は、災害等に備え、情報システム室等に、耐震、防火、防煙、防水等の必要な措置を講ずるとともに、サーバ等の機器の予備電源の確保、配線の損傷防止等の措置を講ずる。

第8章 保有個人情報の提供

(保有個人情報の提供)

第32条 保護管理者は、法第69条第2項第3号及び第4号の規定に基づき行政機関等以外の者に保有個人情報を提供する場合には、法第70条の規定に基づき、原則として、提供先における利用目的、利用する業務の根拠法令、利用する記録範囲及び記録項目、利用形態等について提供先との間で書面を取り交わす。

2 保護管理者は、前項に規定する場合には、法第70条の規定に基づき、安全確保の措置を要求するとともに、必要があると認めるときは、提供前又は随時に実地の調査等を行い、措置状況を確認してその結果を記録するとともに、改善要求等の措置を講ずる。

3 保護管理者は、法第69条第2項第3号の規定に基づき他の行政機関等に保有個人情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、法第70条の規定に基づき、前2項に規定する措置を講ずる。

第9章 個人情報の取扱いの委託

(業務の委託等)

第33条 保護管理者は、個人情報の取扱いに係る業務を外部に委託する場合には、個人情報の適切な管理を行う能力を有しない者を選定することがないよう、必要な措置を講ずる。この場合において、契約書に、次の事項を明記するとともに、委託先における責任者及び業務従事者の管理体制及び実施体制、個人情報の管理の状況についての検査に関する事項等の必要な事項について書面で確認する。

(1) 個人情報に関する秘密保持、利用目的以外の目的のための利用の禁止等の義務

(2) 再委託(再委託先が委託先の子会社(会社法(平成17年法律第86号)第2条第1項第3号に規定する子会社をいう。)である場合も含む。以下この条において同じ。)の制限又は事前承認等再委託に係る条件に関する事項

(3) 個人情報の複製等の制限に関する事項

(4) 個人情報の安全管理措置に関する事項

(5) 個人情報の漏えい等の事案の発生時における対応に関する事項

(6) 委託終了時における個人情報の消去及び媒体の返却に関する事項

(7) 法令及び契約に違反した場合における契約解除、損害賠償責任その他必要な事項

(8) 契約内容の遵守状況についての定期的報告に関する事項及び委託先における委託された個人情報の取扱状況を把握するための監査等に関する事項(再委託先の監査等に関する事項を含む。)

2 保護管理者は、保有個人情報の取扱いに係る業務を外部に委託する場合には、取扱いを委託する個人情報の範囲は、委託する業務内容に照らして必要最小限としなければならない。

3 保護管理者は、保有個人情報の取扱いに係る業務を外部に委託する場合には、委託する業務に係る保有個人情報の秘匿性等その内容やその量等に応じて、作業の管理体制及び実施体制並びに個人情報の管理の状況について、少なくとも年1回以上確認する。

4 保護管理者は、委託先において、保有個人情報の取扱いに係る業務が再委託される場合には、委託先に第1項の措置を講じさせるとともに、再委託される業務に係る保有個人情報の秘匿性等その内容に応じて、委託先を通じて又は委託元自らが上記前項の措置を実施する。保有個人情報の取扱いに係る業務について再委託先が再々委託を行う場合以降も同様とする。

5 保有個人情報の取扱いに係る業務を派遣労働者によって行わせる場合には、労働者派遣契約書に秘密保持義務等個人情報の取扱いに関する事項を明記する。

6 保護管理者は、保有個人情報を提供し、又は業務委託する場合には、漏えい等による被害発生のリスクを低減する観点から、提供先の利用目的、委託する業務の内容、保有個人情報の秘匿性等その内容などを考慮し、必要に応じ、特定の個人を識別することができる記載の全部又は一部を削除し、又は別の記号等に置き換える等の措置を講ずる。

第10章 安全管理上の問題への対応

(事案の報告及び再発防止措置)

第34条 保有個人情報の漏えい等安全管理の上で問題となる事案又は問題となる事案の発生のおそれを認識した場合に、その事案等を認識した職員は、直ちに当該保有個人情報を管理する保護管理者に報告する。

2 保護管理者は、被害の拡大防止又は復旧等のために必要な措置を速やかに講ずる。ただし、外部からの不正アクセスや不正プログラムの感染が疑われる場合は、大田市情報セキュリティ対策基準(平成27年大田市訓令第18号)に準じて対応する。

3 保護管理者は、事案の発生した経緯、被害状況等を調査し、総括保護管理者に報告する。ただし、特に重大と認める事案が発生した場合には、直ちに総括保護管理者に当該事案の内容等について報告する。

4 総括保護管理者は、前項による報告を受けた場合には、事案の内容等に応じて、当該事案の内容、経緯、被害状況等を市長に速やかに報告する。

5 保護管理者は、事案の発生した原因を分析し、再発防止のために必要な措置を講ずるとともに、同種の業務を実施している課等に再発防止措置を共有する。

(法に基づく報告及び通知)

第35条 総括保護管理者は、漏えい等が生じた場合であって法第68条第1項の規定による委員会への報告及び同条第2項の規定による本人への通知を要する場合には、前条第1項から第5項までに定める報告及び措置と並行して、速やかに所定の手続を行うとともに、委員会による事案の把握等に協力する。

(公表等)

第36条 総括保護管理者は、法第68条第1項の規定による委員会への報告及び同条第2項の規定による本人への通知を要しない場合であっても、事案の内容、影響等に応じて、事実関係及び再発防止策の公表、当該事案に係る保有個人情報の本人への連絡等の措置を講ずる。

2 総括保護管理者は、法第68条第1項に規定する漏えい等の報告に該当しない場合であっても、その漏えい等の状況が国民の不安を招きかねない事案であって、その内容を公表しようとするときは、あらかじめ個人情報保護委員会へ情報提供するものとする。

第11章 監査及び点検の実施

(監査)

第37条 監査責任者は、保有個人情報の適切な管理を検証するため、第2章から前章までに規定する措置の状況を含む各課等における保有個人情報の管理の状況について、定期に、及び必要に応じ随時に監査を行い、その結果を総括保護管理者に報告する。

(点検)

第38条 保護管理者は、各課等における保有個人情報の記録媒体、処理経路、保管方法等について、定期に、及び必要に応じ随時に点検を行い、必要があると認めるときは、その結果を総括保護管理者に報告する。

(評価及び見直し)

第39条 総括保護管理者、保護管理者等は、監査又は点検の結果等を踏まえ、実効性等の観点から保有個人情報の適切な管理のための措置について評価し、必要があると認めるときは、その見直し等の措置を講ずる。

第12章 その他

(細則)

第40条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施のための手続その他について必要な事項は、総括保護管理者が別に定める。

この訓令は、令和5年11月24日から施行する。

大田市個人情報保護管理規程

令和5年11月24日 訓令第17号

(令和5年11月24日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 市長部局/第4節 情報管理
沿革情報
令和5年11月24日 訓令第17号