○大田市自然環境保全条例
平成17年10月1日
条例第129号
(目的)
第1条 この条例は、大田市の良好な自然環境の保全に関し基本となる事項を定めるとともに、関係法令並びに国及び県の施策と相まって、市民及び事業者の積極的な協力のもとに自然環境の適正な保全を総合的に推進し、もって市民の健康で快適な生活環境の確保に寄与することを目的とする。
(基本構想)
第2条 市長は、自然環境の保全(以下「環境保全」という。)を図るための基本構想を定めなければならない。
2 前項の基本構想には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 環境保全に関する基本方針及び施策に関すること。
(2) 土地の利用、開発等の計画の策定及び実施に当たって配慮すべき環境保全のための必要な事項に関すること。
(3) 環境保全の施設に関すること。
(4) 環境保全の指導体制に関すること。
(5) その他環境保全に関すること。
(希少動植物の保護)
第3条 何人も、希少動植物(大田市に生息し又は生育する動植物のうち絶滅のおそれのあるもので、規則で定めるものをいう。)の保護に努めなければならない。
2 指定希少動植物(希少動植物のうちその個体の数が著しく少なく又は著しく減少しつつあるもので、規則で定めるものをいう。)は、採取、捕獲、殺傷又は損傷(以下「採取等」という。)をしてはならない。ただし、次に掲げる場合はこの限りでない。
(1) 法令に基づく場合
(2) 学術研究、教育、希少動植物の生息状況又は生育状況の調査の目的その他希少動植物の保護に資すると認められる目的で採取等をする場合
(3) 人の生命又は身体の保護その他やむを得ない事由がある場合
4 国の機関又は他の地方公共団体は、前項の規定により届出をすべき行為に該当する行為をし、又はしようとするときは、市長にその旨を通知しなければならない。
5 市長は、第3項の規定による届出があった場合において、指定希少動植物の保護のため必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。
6 前項の助言又は勧告を受けた者は、その内容に応じ、必要な措置を講じた後でなければ採取等に着手してはならない。
(環境保全地域の指定)
第4条 市長は、環境保全のため必要があると認めるときは、自然公園法(昭和32年法律第161号)第2条第1号に規定する自然公園の区域、自然環境保全法(昭和47年法律第85号)第14条第1項に規定する原生自然環境保全地域及び同法第22条第1項に規定する自然環境保全地域並びに島根県自然環境保全条例(昭和48年島根県条例第24号)第16条第1項に規定する島根県自然環境保全地域(以下これらの区域及び地域を「自然公園等」という。)以外の地域で次に掲げる区域を環境保全地域(以下「保全地域」という。)として指定することができる。
(1) 高山性植生又は亜高山性植生が相当部分を占める森林又は草原の区域(これと一体となって自然環境を形成している土地の区域を含む。)
(2) 優れた天然林が相当部分を占める森林の区域(これと一体となって自然環境を形成している土地の区域を含む。)
(3) 地形若しくは地質が特異であり、又は特異な自然現象が生じている土地の区域及びこれと一体となって自然環境を形成している土地の区域
(4) その区域内に生存する動植物を含む自然環境が優れた状態を維持している海岸、湖沼又は河川の区域
(5) 植物の自生地、野生動物の生息地又は自然環境が前各号に掲げる区域に相当する程度を維持している区域
(6) 自然公園の景観を維持するため自然環境を保全する必要がある自然公園の周辺の区域
(7) 史跡、文化財等を維持保存するため自然環境を保全する必要がある区域
2 市長は、保全地域を指定しようとするときは、あらかじめ大田市環境審議会(大田市環境審議会条例(平成17年大田市条例第130号)に定める大田市環境審議会をいう。以下「審議会」という。)の意見を聴き、その旨を公告するとともにその案を当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供さなければならない。
4 市長は、前項の意見書の提出があったときは、必要に応じてその要旨を審議会に諮るものとする。
5 市長は、保全地域を指定する場合には、その旨及び地域を告示しなければならない。
6 保全地域の指定は、前項の規定による告示によって効力を生ずる。
(標識の設置)
第5条 市長は、前条の規定により保全地域を指定したときは、その区域内に保全地域である旨を表示した標識を設置するものとする。
(保全地域内の行為の届出)
第6条 保全地域内において、規則で定める規模以上の次に掲げる行為をしようとするものは、あらかじめ市長にその旨を届け出なければならない。
(1) 建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
(2) 宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地の形質を変更すること。
(3) 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。
(4) 木竹を伐採すること。
2 市長は、前項の規定による届出があった場合において、保全地域における環境保全のため必要があると認めるときは、当該届出をしたものに対して必要な助言又は勧告をすることができる。
3 前項の助言又は勧告を受けたものは、その内容に応じ必要な措置を講じた後でなければ当該行為に着手してはならない。
(立入調査)
第7条 市長は、保全地域の指定等に関し他人の占有する土地に入って調査を行う必要があると認めるときは、その必要の限度において、職員を当該土地に立ち入らせその状況を調査させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(協定の締結)
第8条 市長は、環境保全のため必要があると認めるときは、第6条第1項の行為をしようとするもの(以下「開発行為者」という。)と自然環境の破壊の防止、植生の回復その他環境保全のために必要な事項を内容とする協定を締結することができる。
2 開発行為者は、前項の協定を締結したときは、当該協定を誠実に遵守しなければならない。
(その他の地域における届出等)
第9条 自然公園等及び保全地域のいずれにも含まれない地域内において、宅地の造成、工場用地の造成、娯楽施設用地等の造成その他土地の形質を変更する行為で規則で定める規模以上のものをしようとするものは、あらかじめ市長にその旨を届け出なければならない。
(委任)
第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年10月1日から施行する。
附則(平成20年条例第37号)
この条例は、平成21年3月1日から施行する。